膵臓、消化管粘膜下腫瘍、胆管、胆嚢の精査・治療に

超音波内視鏡とは

超音波内視鏡とは

超音波内視鏡とは

超音波内視鏡の先端

超音波内視鏡(EUS: Endoscopic Ultrasonography)とは先端に高解像度の超音波(エコー)が備わった内視鏡です。腹部エコー検査(お腹に当てて行うエコー検査)の装置が胃カメラの先端についているイメージです。

EUSでの膵臓の観察

EUSを口から挿入し、胃や十二指腸の粘膜にあてて観察を行うことで、胃や十二指腸の隣にある膵臓や胆嚢、胆管などを観察することができます。

腹部エコー検査では胃や腸の空気などに妨げられてはっきりと見えないような部位でも、EUSで鮮明に観察することが可能です。

通常の内視鏡との違い

通常の内視鏡(いわゆる「胃カメラ検査」で使用する内視鏡)と見た目は大きく変わりません。口から挿入し胃や十二指腸まで入れて観察を行う点も同様です。通常の内視鏡の直径が 約10mmなのに対してEUSは約14mmであり、少し太くなっています。当院では鎮静剤(いわゆる「麻酔」の薬)を使用して検査をうけていただくことが可能です。

通常の内視鏡の先端

超音波内視鏡の先端

EUSでできること

EUSでは膵臓・胆嚢・胆管の全体像、肝臓の一部、胸部・腹部のリンパ節や腫瘍を観察することが可能です。食道・胃・十二指腸などの粘膜下腫瘍(粘膜の下にできる腫瘍)の内部を観察することもできます。

超音波内視鏡下穿刺吸引生検(EUS-FNA)といわれる生検を行うことも可能です。病変を超音波内視鏡で観察し、内視鏡の先端から病変を針で刺し、細胞・組織を採取し、良性か悪性かを判断します。

EUSでの膵臓の観察

EUS-FNA

EUSを受けるメリット

膵臓・胆管・胆嚢を調べる検査として腹部エコー検査・CT検査・MRI検査などがありますが、EUSではそれらの検査では分からないような内部の構造や、数ミリ程度の小さな腫瘍も観察が可能な精密検査です。

また、従来は膵臓に腫瘍が疑われた場合、特殊な胃カメラを使用した内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)という方法や、皮膚から針を刺す経皮的腫瘍生検という方法で腫瘍の一部を採取するのが一般的でした。EUS-FNAではそれら従来の方法より診断の精度が高く、偶発症の頻度が少ないとされ(※)、痛みを感じにくいとされています。

※これら偶発症のリスクについては受診の際に改めて説明し、プリントでお渡しします。2008年から2012年の5年間の調査ではこれら偶発症の頻度はEUSで0.042%、EUS-FNAで0.716%とされています。(日本内視鏡学会集計)